きれいな水を守るために、簡単・「タンニン鉄」除草で無農薬の米作りを始めませんか?

水や土地を汚染する日本の米作り

今や日本の米作りは、除草剤なしではできないものになっています。
除草剤というと、ラウンドアップですが、この農薬は今やガンに罹るリスクを高めるという情報がいきわたり、世界各地で使用が敬遠されています。
ところが日本では、ラウンドアップの使用について警告されることもなく、相変わらず農家用として園芸用として販売され続けています。「海外で販売先を失ったラウンドアップが日本に押し寄せているのでは」という声も聞こえます。

農薬は、石油から作られた化学物質であり、自然界で分解しにくいため、毎年の除草剤の散布は、年々、その土地の汚染度を増すことになります。
また夏前、海岸に大量に死んだ魚が打ち寄せるという怪奇現象も、実は田んぼの除草剤の散布によるものではないかという説も出ています。つまり除草剤は、土地だけではなく、深刻な水の汚染にもなっているのです。

しっかり育った米をおだ掛けして乾燥させる。
自家消費米にも除草剤が欠かせない?!

土地や水の汚染を守るために、無農薬米を作ってほしいと求めても難しい現状があります。無農薬米を作るためにしなければならないのが、夏の盛りの手作業による除草は重労働
なにしろ米作りに関わっているのが、圧倒的に高齢者が多いこともあります。そのため販売用ではなく自家消費用のお米にも、除草剤だけは使っているという農家がほとんど。

最近は、無農薬米のために合鴨農法やその様々な除草方法も使われるようになっていますが、これまたかなり手間がかかります。
そんな現状にあって、オーガニックの通販サイトを運営する「オーガニック生活便」が、画期的な簡単除草法で米作りをしました。

毎年の実り多い米を期待。
無農薬米作りできれいな水を守りたい

山梨県の平林は、約150人が住む山間の村落。標高700mから800mの地区にありますが、7年ほど前から「オーガニック生活便」は、こちらの民家を借りています。
この地からは縄文時代の遺物もよく出てくることから、古代から住みやすい場所だったのだろうと言われています。
村のシンボルでもある氷室神社には、樹齢1200年という杉の神木が立っています。神社の傍らには、とてもおいしい水が湧き出る水源があり、それが清らかな川となって麓に流れています。

富士山と向かい合うようにのどかな棚田の風景が広がっていますが、村にはお年寄りも多いため、他の地と同様に、米作りには、除草剤が欠かせないものになっています。
川の水源がある村落なので綺麗な水を守ることが出来ればと、「オーガニック生活便」は、「ここで育てた無農薬の米を販売したい」と提案したところ、地元の方(保坂健次郎さん)が引き受けてくれました。

富士山が見える晴れ渡った日に刈り取りする保坂さん。
実際に「タンニン鉄」除草法で大成功

2023年6月8日、有志が集まって田植えをしました。
無農薬栽培の米作りにとって一番の難関が除草に手間がかかることです。
そこで「オーガニック生活便」スタッフのひとりが雑誌「現代農業」で見つけた簡単な除草方法が、「タンニン鉄」の活用。

春に田植えをした際、田の水の入り口に、お茶の葉と鉄が入った袋を取り付けるのです。そうすると、茶葉と鉄が反応して、「タンニン鉄」という黒い成分が出来て、雑草の芽が出るのを抑えてくれるとのこと。おまけに稲のほうも鉄ミネラルのおかげで生育が良くなるとのことでした。

早速、この除草法を試してみることにしましたが、今回は、茶葉の代わりに葛の葉と蔓を使ってみることにしました。葛は繁殖力の強靭さゆえに農家に嫌われれている植物ですが、葉に含まれるタンニン成分が多いようなので利用できればまさに「一石二鳥」と考えたからです。

有志のみんなで苗を手植えする。この後、山の水を引き込む。
雑草の少なさに驚きの声が上がる

7月の終わりに田を見たところ、長年米作りをしている保坂さんも驚くほど、ほとんど雑草が生えていませんでした。おまけに稲の生育もとても良いとのこと。
「こんなに簡単な除草方法を皆に教えてあげれば、この村全体で無農薬米が作れる」と保坂さんの顔が期待で輝いていました。標高が高い村落での無農薬の米作りは、麓の米作りにとっても大きな意味があります。
水源があるこの村から麓へ、そして海にたどり着くまで、きれいな水のまま流れてほしいーー
こ無農薬米は、「オーガニック生活便」から「天空の縄文米」と言う名前で販売することにしました。

ぜひ無農薬の米作りのためにこの簡単・「タンニン鉄」除草法を日本のあちこちで活用してほしいものです。日本人にとって、お米は毎日の基本食。無農薬米作りは、日本人の健康にとって、そして日本の環境を守るためにも大きな意味があります。

簡単・「タンニン鉄」除草のやり方

タンニン鉄除草法の材料は、まさに身近なものにあるものだけ。何かを買う必要もありません。鉄は、使わなくなった農機具などを活用。これを茶葉のクズ(5㎏~7㎏)を綿や麻の袋に詰め込んで口を閉じ、田んぼの水の入り口にとりつけます。
やがて鉄と茶葉のタンニンが結びついて、「タンニン鉄」の黒い液体が流れて田んぼにいきわたります。
「タンニン鉄」に使う植物は、茶葉だけではなく、葛の葉や蔓クルミの葉や殻渋柿などを使うことも出来ます。
「タンニン鉄」は、新たに芽生えようとする野草の種を抑えるとともに、鉄分によってすでにある程度、育っている植物(=稲)の成長を促す働きがあります。
この「タンニン鉄」の除草方法は、田んぼだけではなく、畑でも使われています。「タンニン鉄」を撒いて雑草を先に成長させ、その雑草を刈り払ってしまいます。その後に植え付けた野菜の成長も促してくれるとともに、新たな雑草の芽が傍目で伸びる前に、植え付けた野菜の背丈を伸ばすように利用できます。

葛と鉄片を入れた袋を設置。