「衣食住」オーガニックライフで健康を守る、地球環境を守る Vol.3

「衣食住」オーガニックライフで健康を守る、地球環境を守る

何故、こんなにも化学物質があふれる世界になってしまったのか?

Vol.3

体の不調や鬱気分は、実は化学物質が原因かも

 
近年、原因不明の体調不良や鬱病に悩まされる人が増え続けています。また以前にはなかったようなアレルギー症や、より深刻なガンなども急増。
その原因は、化学物質の蓄積による体内汚染が考えられます。
というのも、今や私たちの生活周りには、化学物質があふれているからです。
化学物質は、免疫システムを壊してしまうため、様々な不調や疾患が表れやすくなるのです。
心と体を良い方向へ整えるために、まずは家の中や食品の化学物質がどこにあるかを知り、それを取り除きましょう。

永遠の化学物質PFOAとは?

最近、プラスチック類の化学物質の中でも、特に危険性が喚起されているのが、PFOA(ピーフォア)です。

今やどこの家庭でも焦げ付かないフライパンが重宝されていますが、テフロン加工に使われているのが有機フッ素化合物の一種であるPFOAです。PFOAは、フライパンのテフロン加工だけではなく、衣服や靴の被膜剤としても使われています。

テフロン加工のフライパンは、高温で調理をすると、有毒のフッ素ガスが発生する危険性があり、さらに調理中に徐々にはがれて料理と一緒にPFOAが体内に取り込まれ、蓄積していくこととなります。

PFOAはフライパンのテフロン加工に使われている。

そのほかPFOAは、包装紙にもよく使われており、そのような包装紙は食品を汚染する不安があります。

PFOAはとくに長く自然界で分解されない化学物質で、そのために永遠の化学物質「フォーエバーケミカル」とも呼ばれています。人体に入ると、排出されにくいため蓄積されたままになる危険性があります。

ヨーロッパでは、PFOAは、肝障害やガンの原因となることや生物の生殖活動に対しても毒性があることが報告され、すでに規制が始まっています。

日本では、令和3年の10月から「PRTR法」によって第1種特定化学物質に指定されましたが、現行でも数多くのPFOAを使った製品が販売され続けています。

合成界面活性剤は、家庭から排出される環境汚染物質

川の表面を大量の白い泡が流れる光景を見たことはありませんか? 

もうひとつ家庭から多く排出されている環境汚染になる化学物質が合成界面活性剤です。

合成界面活性剤は、台所洗剤、洗濯洗剤、ボディソープ、洗顔フォーム、シャンプーなどの洗浄成分として使われている化学物質です。

シャンプーの成分を確認しましょう。

合成界面活性剤は、「たんぱく質変性作用」があり、たんぱく質を溶かしてしまう働きがあります。

そのため、台所洗剤として使っていると手荒れの原因になります。いわゆる「主婦湿疹」と言われる手荒れの原因のほとんどがこの合成界面活性剤です。

一般的なボディソープ、洗顔フォームには、洗浄成分として合成界面活性剤が使われているため、表皮を溶かしていき、しだいに肌は慢性的な乾燥肌に、さらには肌が薄い敏感肌になってしまいます。

また合成界面活性剤を使った合成シャンプーは、髪の保護層であるキューティクルを溶かしてしまうため、細毛の原因となります。さらに頭皮の毛根にもダメージを与えるので、薄毛の原因となります。

環境と人にダメージを与える合成界面活性剤
綺麗な水が流れ出すブナ林に覆われた白神山地の森。パン作りに使われる「白神こだま酵母」の故郷。

合成界面活性剤も石油の余剰生産物ナフサから作られるようになった化学物質で、プラスチックと同じく自然界にないために、10年から15年も分解しません。

そのため、いつまでも白い泡になったまま、川を流れ続けているのです。

合成界面活性剤は、2000種類以上ありますが、とくに洗剤やシャンプーによく使われている「ラウリル硫酸ナトリウム(ドデシル硫酸ナトリウム)」は、環境省のPRTR法において毒性が懸念される「第一種指定化学物質」の中に入っています。

合成界面活性剤は、分解しにくいがゆえに、そのまま細胞を溶かして毛細血管から体内に入って蓄積します。口から入る化学物質はチェックされやすいのですが、意外と見逃されているのがシャンプーや化粧品の化学物質です。

体内に蓄積した合成界面活性剤もまたアレルギーや様々な病気を引き起こします。とくに様々な婦人病の原因にもなっています。

洗剤やシャンプーなど、家庭から流れ出た合成界面活性剤は、河川に入ると、水域に棲む生物の細胞にダメージを与え、徐々に死滅させていきます。

そのために従来は、河川の浄化作用として役立っていた魚、小動物、微生物がいなくなり、川はしだいに自己浄化力を失って濁っていきます。

汚れた水は、そのまま河川を水源としている水道を経由して人の口に戻ってきます。