自然に適った循環型農業を守る「固定種」

今日、世界中で異常気象による農産物の不作が問題になっていますが、そんな今だからこそ、固定種には大きな価値があります。固定種には、自然由来の太古の昔から脈々と受け継いできた遺伝情報が宿っているのです。

固定種は気候風土に合わせ、どんな病気にも対応できる可能性を秘めています。固定種は、選抜と自家採種によって、その土地に合った種を産み出し、土地がそれをまた新たに育んでくれるのです。

F1育種が隘路にはまったとき、固定種によって日本の農業を救う日が来ることも予想されます。

「日本法蓮草」は冬野菜の代表格。
農薬や化学肥料などがない時代から栽培されてきた固定種は、環境に順応して生育する力があるため、有機農業にも適した種と言えます。

昔からあった農業の在り方は、世界各地で異常気象が起きている今、日本だけでなく世界中でその価値を見直すことが求められています。今一度、利益追求の人為的な農業から脱して、本来の持続的な自然の農業へと立ち返る必要があるのではないでしょうか。

F1種の野菜を栽培している産地では、周年同じ野菜ばかり作っているので連作障害が出てきます。それを防ぐために、まず畑やハウスの土を土壌消毒して更新します。産地での野菜作りは、毎年、クロールピクリンなどの土壌消毒剤の毒ガスで細菌や線虫、雑草の種や虫の卵など、有用微生物も含めて生き物を皆殺しにする作業から始まります。
次に毒ガス抜きをした後、化学肥料を混和して、種子消毒されたF1の種を蒔きます。芽が出たら予防のための農薬を定期的に噴霧し、それでも虫や病気が出たら、それぞれの特効薬で防除します。恐ろしいことですが、これが一般的な野菜の作り方つまり「慣行農法」なのです。
しかも病害を防ぐため常に農薬散布をしていると、病原菌がどんどん耐性を獲得して強くなったり、外国から新しい病害が侵入してくることもあります。こうなると既存の薬剤は効きません、次々に新しい強力な農薬を開発していかなければならなくなるのです。このような負の連鎖が、これからも続く農業の将来だとしたら、暗澹たる思いがします。
